船戸与一著「虹の谷の五月」を読みました

これまでに数冊、船戸作品を読みました。必ず主人公以外は皆いなくなるというシビアな設定はここでも健在でした。
舞台はフィリピンのガルソボンガ地区。日本人の父とフィリピン人の母を持つ少年「ジャピーノ」ことトシオ・マナハンは14歳。闘鶏のためにじっちゃんと日夜ニワトリの育成をする、ほのぼのとする書き出しで、さすがに今回ばかりはノンビリした話だと思ってました。冒頭では。

しかし、中盤から後半にかけて、準主役のホセ・マンガハスをリーダーとする戦闘シーンは戦慄もので、下巻は一気に読破してしまいました。この戦いを通じてのジャピーノの成長ぶりには目を見張るものがあります。男ってのはギリギリの状態で戦うと、そこに成長が生まれるんですね。