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忘れないうちに第72期名人戦第4局の所感をメモ

その他

羽生挑戦者の勝利のポイント

  • 相手の最善手を悪手にさせる指し回し
  • 相手の持ち時間を消費させ、ミスを誘う指し回し

1点目の「悪手にさせる」というのは、80手目の△3五銀について。これは解説の三浦九段も指摘した最善手で、自分もこの局面を見た時には両サイドの5段目の2枚銀が大きく威張ってて後手よしと見ていた。しかし、投了図まで棋譜再生してみるとわかるのだが、この銀がまったく何もしていない。桂馬が跳ねるのを阻止しているためだけに居るかのように見える。

2点目の「ミスを誘う」というのは、91手目の▲4一金について。これは終局後の記者からの質問に森内名人が「▲4一金をうっかりしました。嫌な感じになったと思いました」と答えている。この局面での残り時間は羽生約1時間20分、森内約20分。しかもこの手の前後では羽生挑戦者はほとんど時間を消費せず、森内名人の考慮時間も相手の持ち時間を利用することができず、自ずと少なくなっていた。この”うっかり”を引き出す力が羽生挑戦者の底力だと感じた。

以上。

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