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ドキュメント コンピュータ将棋 天才たちが紡ぐドラマ (角川新書)/松本博文著

読書

自分としては異例のスピードで読了。すごく面白かった。
このタイトルはおそらく商標上か便宜上の名前で、実際の中身は「電王戦FINALまでのプロ棋士とコンピュータ将棋開発者のドラマ」。電王戦FINALに登場するプロ棋士とコンピュータ将棋の開発者について順に紹介されている。第4章が第1局で登場した斎藤慎太郎五段とAperyの紹介で、第8章には第5局で登場する阿久津八段とAWAKEが紹介されている。もちろん、そこに至るまでの章には、電王戦開催までのいきさつや米長前会長についても記述がある。また棋士側の知識に偏ってる自分にとっては、コンピュータ将棋開発者それぞれが抱える事情を電王戦FINAL開催中に読むことができ、これからの観戦がより深く楽しめると確信している。


自分のこの文章は、郷田王将がまさに誕生し、明日に電王戦FINAL第3局稲葉七段vsやねうら王を控える日に書いている。
この本のびっくりする点は、第2局終了までの結果を予言していたかのようにピタリと当てはまる記述や証言が飛び出すところだ。第1局で議論になった「コンピュータ将棋と投了」については、まさしくその事件を見越していたかのように、コンピュータ将棋にとっての投了とは何かをコンピュータ側と人間側の双方から書いている。また、「人間側が2勝はするだろう」といった複数証言がすでに書かれていることにも驚いた。第2局が終了している現在までで、対戦成績は人間側の2勝0敗だ。電王戦FINAL全5局が終了した時には、予言されていたと言われるような記述がさらに増えるかもしれない。


この本の対象読者としては、将棋の駒と動かし方に関する知識は不要ではあるものの、それでも理想としては電王戦FINALに登場するプロ棋士の顔と名前が一致し、コンピュータ将棋の開発者の名前と顔と人となりが何となくわかっていたほうがより楽しめると思う。将棋電王戦FINAL特設サイトから「電王戦FINALへの道」を見ることをおすすめする。

将棋電王戦FINAL | ニコニコ動画

見る将棋ファンの人には無条件でおすすめ。全5局が終わってから読み始めるのではもったいないので、早めに買って早めに読みきってください。